旅館あけぼの 鍋島の間

Ryokan Akebono / 2022 /

佐賀市にある「旅館あけぼの」食堂の改修。画家・青木繁(1882-1911年)が画会の際に半年間滞在したことをはじめ、旧くから文化人に愛された宿である。
今計画では、客室として使用されていた建築当時の天井松杢板、解体時に現れた煉瓦積みをその痕跡として残した。また、この旅館では有明海の幸を用いた料理と、それを引き立てる佐賀県内の作家による器でのもてなしを大切にしている。その姿勢に倣い、有田焼窯元で鍋島の間を構成する素材として、有田特有の瑠璃釉の焼物タイルを製作した。焼物は寸法や色味に一枚ずつ微差がある。それを敢えて突き付けで張り巡らすことで生じる美しい歪みは歴史に馴染み、光によって多様な表情を見せる瑠璃釉が空間に新たな艶やかさを齎す。



旅館あけぼの 鍋島の間

設計 : TORU SHIMOKAWA architects
写真 : 藤井浩司

クライアント : 有限会社 旅館あけぼの
所在地 : 佐賀県佐賀市中の小路3-10
計画種別 : 改修
用途 : 食堂
設計期間 : 2022年5月~2022年9月
工事期間 : 2022年10月~2022年12月